語感による科学的名づけ

”日本語オノマトペ語彙における形態的・音韻的体系性について”に関し

 

”日本語オノマトペ語彙における形態的・音韻的体系性について”に関し  

  くろしお出版へのメール(読書感想文とともに)  

なお、ついでと言ってはなんですが、通読して校正ミスと思われるのが何箇所かありましたので、すでにお気づきかと思いますが、お知らせいたします。

P60 中程から4行目 ‘(5)の44語中 ’とあるのは 46語中 では

それから3行目  ‘64音のうち33が’ とあるのは 35 では

P62 2行目 ‘かたーかちーかつことーこつ’とあるのは かつ と こつ の間にスペースが必要では

P64 中程 ‘(11) 2音節: ’の中にある ‘とく’ がP65 4行目の引用ではなくなり、‘ぐしゃ’が新たに入っている。

P88 9行目からの引用 ‘(10)−(13)’は(11)−(14)ではないか。一つずつずれている。

P103 中程‘この規則は、「tsu」、「∫u」’とあるのは 「t∫u」ではないか 

P106 1行目 ‘「非口蓋化」’ とあるのは 「非硬口蓋化」 では

P150 中程から2行目 ‘母音の交替に非常に比べて数が少ない。’とあるのは ‘母音の交替に比べて非常に数が少ない。’では

又、浅学の身ながら、先生とは違った立場から先生とはやや異なる見解を持っていますので以下少し述べさせていただきます。先生のご研究の刺激にでもなればと思います。

P44 ‘さめざめ’ の語源は ‘雨雨’ ではないか

    ameame-ameSame-SameSame-SameZame

とすると意味的オノマトペでしょうか。

P54 ‘元来は同じ子音である音韻的事実’とありますが、音韻的には Ta(歯茎)CHi(後部歯茎)TSu(歯(茎))はそれぞれ調音点が異なりますので、同じとはいえないのではないでしょうか。Ha(声門摩擦音)Hi(硬口蓋摩擦音)Fu(両唇音)も同じ。音韻体系といったとき、現在の50音表ではなく調音法に統一性をもたせなければならないのではないでしょうか。ちなみに、古くは タ ティ トゥ テ ト すなはち Ta Ti Tu Te To と発音していたとの説もあります。

P67 ‘音韻的には /h/ を有声化すれば /b/ となるが’とありますが、 /h/ は声門摩擦音、/b/ は両唇破裂音(閉鎖音)で、したがって /b/ の無声音は /p/ ではないでしょうか。 ちなみに、/h/ と /p/ の共通点は発声時の口腔の形がいっしょということです。歴史的には /p/→/f(ph)/→/h/ と理解していますが、/h/ には /p/ から変化してきたものと、/h/ の時代になってから新しく作られたものがあるのでしょう。前の例としてはオノマトペ「ピカリ」が変化して「ヒカリ」になったと考えられます。P161の「はた」も「ぱた」からの変化と考えられます。/h-p-b/ という表現には、歴史的変化の問題と有声化の問題が混在しているのではないでしょうか。

P98に ‘ハ行子音の歴史的推移を根拠 ’としておられますが、もし歴史的流れを考えるのなら、/h/ より古い /p/ を語基と仮定すべきではないでしょうか。そして新しく独自に出来た /h/ は先の /p/ 由来のものと区別して /h/ を語基と仮定すべきではないでしょうか。

P96 ‘無声の語基から派生したものではない’の中に「ぶつぶつ」があがっていますが、関西地方(神戸出身)では、一つ一つ独立した一つではない出ものというニュアンスで「ぷつぷつ」といい、それに目障りというニュアンスが加わって「ぶつぶつ」といいます。また、この目障りと元来のとぎれとぎれというニュアンスが使われて「ぶつぶつ言う」ように使われています。

P97に「ぴっしり」という語形はないとありますが、「ぴっちり」という語形はあります。

P101‘/r/ はオノマトペ語彙において硬口蓋化されないのが一例‘とありますが、「のろのろ」「のりょのりょ」は違うのでしょうか。重く粘り気のあるニュアンスは共通で、「のりょ」では拗音特有の動きが加わったため全体印象が大きく変わったように見えるだけのようですが。

以下は先生に申し上げることではないのですが、

P252 付録 1249 1254

「しなっ」は「しなびる」からきた言葉、「しおしお」は「しおれる(しほれる)」からきた言葉でしょう。「しなびる」は「し(古いやまと言葉では水気を表すー中西進説)」が「なぶ」、「しおれる」は「し」が「ほおれる」という意味で、これも水気がなくなって細くなったりグニャとなったりすることを表しています。「しおれる」から野菜などをしおれさせるものとして「塩」という名前も出てきたのでしょう。したがって、ふたつとも真性オノマトペというよりは意味的オノマトペではないでしょうか。その他「あっけらかん」は「空く」、「あっさり」は「浅い」、「うっすら」は「薄い」から来た言葉でしょう。問題は、それぞれオノマトペと言葉とどちらが先かということでしょう。言葉が先なのは意味的オノマトペなのではないでしょうか。

以上、専門外、かつ浅学にもかかわらず、生意気なことを申し上げ申し訳ありません。先生のご研究のひとつのヒントにでもなればと思い書かせていただきました。お読みいただき有難うございました。

               増田嗣郎

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