語感による科学的名づけ

感性について

                            → 語感 言語学 感性 とは

   感性 とはなにか  

 語感にからみ、感性があるか、と問う場合、以下の四つのフェイズを考える必要がある。

(1)感覚  体感情報  大きい、冷たい、固い、 ・・・
(2)意識化       感じた感覚を意識できるか。
(3)言語化       意識した感覚、イメージをことばで表現できるか。

 そして、感情のフェイズとして、

(4)情緒化       意識化されたものに、感動できるか、美しいと思えるか、すなわち、反応として価値判断(知的判断ではなく、好き嫌いとか、快・不快という情的判断)ができるか、そして、それを表現できるか。
(表現は、ことばによる表現、身体による表現にはじまり、芸術にもつながる。)
(これらの表現力を感性があるということもある。)

 以上の四つが、感性を考えるとき、ごっちゃになっていることが、まま見受けられる。

   子供には語感があるか。  

 子供には感覚は十分ある。それを意識も十分しているだろう。しかし、言語化は十分ではないだろう。年齢が下がるほど、これは難しくなる。しかし、感性がないわけではない。

   [語感などといういいかげんなものはない]という中高年男性の場合はどうか。  

 中高年男性は、子供とは逆に、言語化は得意であろう。そして、感覚もまだあるだろう。大きいものは大きいと、固いものは固いと感じることはできるだろう。
 ただ、この感覚を意識化することが難しいのかもしれない。いや、むしろ意識化することを押さえ込む訓練を長い間積んできた結果、意識化することに拒否反応を示すようにすらなっているのかもしれない。

 高等教育を受ける過程で、ことばの概念規定を厳格にすることを叩き込まれ、法律、経理など社会の約束事を絶対的なものとする修行を積む過程で、ナゼそうなのか、本質は何なのか などを問うことは、修行の邪魔になり、落ちこぼれる原因にもなってしまう。
 したがって、社会的に成功したといわれる中高年男性に、感性のサビついた人が多くいるのも、むべなるかなである。
 問題は、そのことに、本人に自覚があるかどうかということである。

   感性 と 感情  

 感性のサビついた人の犯す大きな過ちの一つに、(1)〜(3)までの感性的なことと(4)の情的価値判断を混同してしまうことがある。
 感覚的なものは、個人による多少の差はあれ、固いものは固い、熱いものは熱く感じるのであるが、これに対する情的判断、例えば、それを快く思うか、不快に思うかは個人によって大きくばらつく。勿論、男女差によっても、年齢層によっても大きく違ってくる。

 この情的判断が大きく違ってくることと、生理的感覚をいっしょくたにして、感性的なものはいいかげんな主観的なものとして、すべての判断対象から排除してしまうということが起こっている。
 学会においてすら、感性的なものは論理たる科学にはなじまないとして排除してしまうということが起こっている。

   情操教育  

 子供の情操教育は、(3)と(4)を中心に行うべきである。勿論、山に登る、海を見る、森を歩くなど自然と接する機会をふやすことも必要である。そして、そこから得た感動を、身体、声、ことば、文字などで表す訓練をすることが重要である。

 サビついた中高年には原点に帰り大自然の中に身をさらし全身で自然を感じることから始めてもらうしかないであろう。

 情操教育には、もう一つ重要なものがある。それは、対自然だけではなく、対人的感性、すなわち、共感性を養う必要である。人の心の痛みを感じる能力を涵養することである。
 このためには、実社会での実体験は勿論、読書・観劇などによる色々な人生の擬似体験をさせることも有効と思われる。

   バツ と バチ  

昨日の日経新聞の夕刊にアーサー・ピナードさんの書いた記事が載っていた。
そこで、彼は次のようなことを書いている。
[天罰のバツよりも、‘バチがあたる’の バチ の方が、プチな感じがする・・・]
ここから、二つのことが分かる。ひとつは、外国人も語感が分かる。(当然ではあるが)
今ひとつは、外国語にも語感をよく表わしているものがあるということである。プチをフランス人がどのように発音するかはわからないけれど、語感的にはそれほど違った発音にはならないだろう。駄洒落でいったのかもしれないが、プチ というのは、語感的にもピッタリの表現である。(平成20年5月29日)

powered by Quick Homepage Maker 3.71
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional